オタネニンジンと高麗人参
オタネニンジンという言葉を、見かけたり聞いたりしたことはありますか。
スーパーに足を運んでみても、いつもの人参は簡単に見つかるかと思いますが、このオタネニンジンはおそらく見つからないでしょう。
なぜならこれは、高麗人参のことだからです。
高麗人参のことを、和名でオタネニンジンと呼びます。
これは、漢字で書きますと御種人参と表記します。
なぜこのような呼ばれ方が日本に根付いているのでしょうか。
それには古くは江戸時代までさかのぼります。
江戸時代、江戸幕府を開いたのは、戦国の乱世を知恵と戦術で切り拓いた徳川家康です。
家康は安定した政権運営のために様々な工夫を凝らしました。
そんな家康が政権を獲得したのは当時にしては老齢に至ってからです。
ですから非常に健康に気を使い高麗人参を愛用していたとされます。
さらに時代は進み徳川吉宗の頃、この植物は、全国での栽培が推奨されるようになりました。
貴重な種を各地に渡していったのです。
そのため、「御種人参」と呼ばれるようになったのです。
漢方としても非常に重要な植物だったので、全国での栽培を幕府が推し進めていきました。
今でも生産の70%は韓国産ですが、日本でも栽培は続いています。